大の字になって

最近は暇をみつけて日本情緒あふれる温泉宿を探すのが楽しみとなった。
伝統と格式ある閑静なたたずまいと、湯上りが気持ちよさそうな露天風呂、
個性豊かな女将のもてなしの心。
それに、郷土料理に舌鼓を打つのも楽しみのひとつである。
    
若い頃は旅館の作法をもてあましたものだが
今ではそれも乙なものだ。
  
玄関で一服し部屋に通され仲居さんがやってくる。
一通りの説明を聞き、浴衣に着替えてくつろぐ。
  
畳に大の字になってみる。
大の字は人が精いっぱいできる大きなポーズだ。
無心になれるからいい。
 
山形で齋藤茂吉の書画をみて、上山温泉で宿をとる。
3000坪の庭に離れ風の平家の数寄屋建築が建ち並ぶ名月荘。
最高の贅沢である。
  
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