『火天の城』

東映の時代劇は昔からよく観ていた。
大川橋蔵と大友柳太郎のファンだった。
今も武士道の映像には関心が深い。
商家の土間やタタミ敷きの座敷、そして縁側。
武士やそのツレの言葉遣いや仕草、
それに語り継がれる口伝の数々や
建築空間や造作はとても参考になる。
「雨楽な家」と「武士道」には相通じるものが
あるから余計に瞠目を誘ってしまうのだろう。

山本兼一の傑作歴史小説『火天の城』を観た。 
CGを駆使したセットには限界があるが、
鋭敏な筆致による、隙のない構成は
さすがでキャストも多士済済だ。
  
「木組み」は「心組み」という家づくりの精神
築城に命まで賭した男たちの野心
そんな男たちを支え続けた家族の絆
そして職人の伝統に貫かれた日本の美
  
「武士の一分」も十分堪能できたが、
「火天の城」も見せ場が多く、イチ押ししたい。
  
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