『たけしの魅力』

30年も前、漫才師として一世風靡したビートたけし。
テンポのいいしゃべりは風刺に富んでいた。
そんな彼がメガホンを執れば海外で賞を総ナメし
今や映画界の巨匠。しかし僕は違和感を感じていた。
 
北野武監督のバイオレンス映画「アウトレイジ」は
ヤクザの血みどろの権力闘争を描いたものだ。
「この野郎、バカ野郎」と繰り返されるセリフが
耳ざわりでストーリーも単純だった。
しかし後で凶悪なシーンを思い出してクスクス。
暴力をネタにし残酷シーンを「お笑い」に
置き換えてしまう彼の能力はやはり非凡だ。
オチに向かってスジフリを作るのが巧みだし
漫才に通じる手法を映画に用いているのだろう。
 
「北野武 今、63歳」
毒舌芸人の苛烈な生き方を綴った著作を
85分で一読した。ムダのない文章。さすがだ。
 
ビデオで観た彼が演じる「座頭市」。
これもいい。香取君より断然立ち振舞いも見事だ。
異彩を放ったたけしのTV番組の
スタッフから突然、取材のオファーがあった。
興味津々だが自然体で対応することにした。
 
takeshikjuly2010.jpg